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別荘建築日記>建物の基本イメージ
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別荘の設計を考える場合にはまず最初に建物の基本イメージが必要です。カオリが思い描いているのは南欧風のリゾート別荘です。ですからまずはそういう建物を建築した実績のある建築家を探すことから始めなければなりません。ところが運のいいことに、ペンション「サライ」さんの設計を担当された建築家の方を紹介して頂けることになったのです。実際にご覧になって頂ければ分かりますが、ペンション「サライ」さんのダイニングはまさにカオリが理想とするところの南欧風のリゾート空間です。そもそも別荘建築についてお話するキッカケとなったのが「このダイニングはすごいですね。快適で過ごし易いし」という話題からだったのです。但し、紹介して頂けるという建築家の方は「気に入らない人とは仕事しない人だから、大丈夫かなあ?」とさんざん言われたのでどきどきでした。カオリのこと気に入らないから仕事は引き受けないと言われたらどうしよう?・・・と。実際にお会いしてみたらとても好印象で「早速、図面を引いてみましょう」というお話になり、とんとん拍子で設計担当の建築家が決まったのでした。
設計を考えるにあたってカオリが出した基本条件は以下のようなものでした。
1. 寝室となる部屋(和室でも洋室でも可)が1部屋8畳以上で2部屋あること。
2. 2階建てにして、寝室となる部屋のうち1部屋は2階に置いて、それぞれのプライバシーが充分に確保されるようにする。
3. 1階は寝室となる部屋、リビングルーム、ダイニングルームの3部屋がなるべく続きとなるように配置して、すべて南向きにする。
4. 玄関の位置にはこだわらない。
5. キッチンの位置にはこだわらず、健常者仕様とする。
6. バス・トイレは車椅子でも利用可能なバリアフリー設計とする。
7. バスの扉は3枚開きドアにして、車椅子のままバスへ侵入できるようにする。
8. トイレのドアは横開き戸にして、トイレの中もしくは外で車椅子が回転できるスペースを充分にとる。
9. 室内はすべて車椅子で移動可能な幅をとり、段差をなくす。
10. 特に玄関のあがりかまちは段差を最小限にして最大でも6センチの段差とする。
11. 室内からテラスに出る段差も最小限にする。
12. 1階部分ですべての用事が済むような設計とし、2階は健常者用とする。
13. 駐車場から玄関までスロープを付ける。
14. 室内になるべく行き止まりを作らずにぐるぐる回れるような空間にする。
15. 窓を大きく多めにとり、明るい室内にする。
バリアフリー設計を意識した建物が誰にとっても快適であることを知っていましたので、可能な限りバリアフリーに近い設計を目指すことにしました。1ケ月後、ふたたびペンション「サライ」さんへ泊まりに行き、夕食後に建築家の方を交えて設計図を囲み1回目の設計打ち合わせを持ちました。ところが見せて頂いた設計図はどうもイメージが違っていたのです。
「うーん・・・」
設計図を見ながら考え込むカオリ。そしておもむろに
「ハサミはありますか?」
と言って、ペンション「サライ」の中村さんにハサミを借りました。そして設計図をジョキジョキとパーツごとに切り始めたのです。そして組み合わせを変えて
「こんな感じかなあ」
とイメージを組み立てました。
しかし・・・今、考えてみたらなんという大胆な行動だったのでしょう。建築家の目の前で設計図をハサミで切ってしまうなんて・・・。建築家の方の目の色が変わっていたのを思い出すとゾッとします。後で判明したことなのですが、建築家の方は別の土地と勘違いして設計図を引いてしまっていたんです。だからカオリが建てたいと思っている場所とはまるで違う設計になってしまっていたのですね。どおりで道路が南側にあるのに北側から玄関に入るのはおかしいと思ったんです。今さらですが、ナマイキなことをしてしまってすみませんでした。許して下さいね。
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