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那須別荘新築した体験談
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20. 水抜き

水抜き
冬の夜になると氷点下以下に気温が下がる那須では、水抜きによる水道管凍結防止が大きな課題となっています。水道管が凍結すると飲料水はもちろんのこと、トイレの水も出なくなり、別荘生活に大きな支障がでます。水道管が凍結しただけならそれが溶ければ元通り使える訳ですが、ご存知の通り水は凍ると膨張します。それが原因で水道管が破裂して漏水による水浸しなんて最悪の事態となることもあります。那須に別荘を建てる人はそんな事情を知る由もなく、冬になるとあちこちで水道管が凍結したと大騒ぎになることもしばしばです。水道管の凍結を防止するには、水道の水を出しっぱなしにする、水道管に保温材を巻く、水道管に電熱ヒーターを巻くなどの方法がありますが、一番良い方法はそもそも凍結の元となる水を水道管から抜いてしまう“水抜き”であると言われています。

この“水抜き”という作業はかつて、@水を止める、A排水する、という2つの作業(2つのバルブの操作)を行わなければなりませんでした。それを1つのバルブで確実に行う事ができる様にしたものが「不凍水抜栓」というものです。しかし便利になったとはいえ、相変わらず「うっかり水抜きを忘れた」場合には水道管が凍結して破裂してしまう危険性がある訳です。「いつも忘れないのに、この前忘れてひどい目にあったよ」というような話は本当によく聞く話です。まして「うっかりハチベエ」のカオリはきっと水抜きのことなんかすっかり忘れてしまいそうです。

実は水道管凍結についての話題はカオリが建築をお願いしている一級建築士の円谷さんと一番最初に打ち合わせをしたときにすでに話題となっていました。
「水道管の凍結はどこから始まるかご存知ですか?実は氷点下以下に気温が下がった室内から凍り始めるんですよ」
「えええ?そうなんですか?それじゃ室内も寒くて大変ですね」
「そうです。だから室内の気温が下がらないようにしてやれば水道管は凍らないんですよ。それが高気密設計で室内気温を氷点下にしないという考え方なんです」
「なるほどー。それなら室内に居る人も快適でいいですよね」
というようなやりとりがあったのですが、その話をしていたのが春頃だったのですっかり忘れていました。

なお、普段人が住んでいる家であれば日々の生活の中で室内気温が下がりすぎるということはありませんが、別荘の場合は人が居ない時間もあります。その場合、「ストーブを消して丸一日家を空けたら室内の気温が下がりすぎる」ので、「もっとも気温が下がり始める時間帯にパネルヒーターの自動運転をさせて(5〜6時間程度)、夜間の室内気温低下の防止策をとる」ことも提案されていました。夜間にパネルヒーターの自動運転をさせても「費用は月に5千円程度です」とのことでしたから、水道管凍結の恐怖に怯えて過ごすくらいならお安い出費と言えます。ちなみに、水道管のメンテナンスを業者に頼む場合、費用は水抜き・水出しともに1回につき3千円〜5千円ぐらいです。万一、凍結してしまった場合には、解氷作業を業者に頼むと、時間によって6千円〜2万円ほどかかります。

カオリが建築中の別荘はこれらの考え方から、冬期の水抜きをしなくて良い、メンテナンスフリーを目指しています。但し、それが可能なのは高気密設計によって、わずかな暖房で別荘全体が温かくなるという設計思想が始めからあるからです。それと同じことを高気密設計ではない普通の住宅でやろうとしたら、暖房費が莫大にかかってしまって、とても割に合わないものになってしまうということにご注意下さい。

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